解離についての欲しい情報が見つからなかった時にしたこと

今から12年ほど前のことです。

私は診断後、自分の記憶が欠け落ちていくことがとても怖く、その上頭痛や突然頭に響く謎の声に翻弄されていました。

日常的に困っていたので必死に解離について情報を探しました。

医師を訪ねて、解離について聞きました。

インターネットで考えられるだけの「キーワード」を打ち込み検索してみたり、大学の図書館をはしごして生理学、生物学、心理学、医学の棚を片っ端から読んだりしました。

もともと体の仕組みを知ることが好きで根っからの理系だった私は、心という目に見えない分野よりは体の面から納得したかったのかもしれません。

「心と脳」

「ストレスと反応」

「脳科学と深層心理」

などのタイトルに目がいくことが多かったです。

その分厚く重たい書籍を一回の限界冊数まで毎回借りるのが日課でした。

当時の私の検索能力が低かったのかもしれないですが、ネット上では私の知りたい情報がなかなかないのが現実でした。

解離を起こしている人のブログやHPを見ると、当日の気分や、薬の処方、愚痴や思ったことなどが書き連ねられていました。

そして、実はこれは同じ時期、私もしてきたことでした。

辛かった時ブログに自分メモを残し、記録をつけることでしか「自分と心の中にいる自分でない誰か」の状態を知ることができなかったのです。

でもそれは自分の気持ちや状態をただメモしたり吐き出すだけの日記帳、記録簿でした。

同じく他の人のブログもそういった内容のものがほとんどでした。

どうして解離は起こるのか?どうやったらこの症状がおさまるのか?何をしたらこうなった。これをしたら元気になれた。

などの当時私が欲しかった情報はなかったのです。

どんな治療法があるのかについては心理学系の本には書いてあるけど、通院の経験から知識のある医師がいる病院が少ないこと正しい知識を持った医師も少ないだろうと考えていました。

ゴールがまるで見えないトンネルを這っている気分でした。

本の情報は読みやすいとはとても言えなかったし、理解するには難しい専門用語いっぱいの専門家、研究者向けの本がほとんどでした。

医師はというと解離・人格交代の言葉すら知らない医師もいました。

「あまり知らない、診たことがない」

「うちでは治療はできません」

今では専門外だから他を当たった方があなたのためにいいよという意味だとわかるのですが、当時は「他をあたって」という対応が私を絶望させました。

ひどい時には

「多重人格なんてっ、あなた・・・ふふ、そんなのあるわけないでしょう?(笑)」

と、笑われ、即座に別の診断をつけられ、追い返されるように「次の人」と言われ診察室を出るのでした。

『医師も知らないのだ』と考えた方がいいのか?

『私がデータのないくらい異常な状態になっているのか』と考えた方がいいのか?

もはや自分で自分の体について知る手がかりがなくて途方にくれていました。自分はおかしくなってしまったのかと思うと、余計それがストレスになって手の先がヒューっと冷たくなっていきました。言いようもない孤独を感じました。

20代で発症する若年性アルツハイマーという脳が萎縮して小さくなる病気(症状が進むと記憶力の低下が見られる)の可能性も考えて、脳神経外科の門を叩きMRIをとったこともあります。

だけど、結果は異常なし。私の脳は健康だと言うのです。

私はその頃には医学部の大学院を辞め自宅で引きこもっていました。

解離について自分の欲しい情報がないとわかった私は自分を題材にいろんな検証をしてみることにしました。

ノートを用意して睡眠時間や食べ物の記録はもちろん、薬を飲んだ後に時間単位でどう変化するか仕事用のメモ、日誌として細かく書きようにしました。

自分の過去を振り返って時系列にしてみたり、思いを吐き出してみたり、何に不満があるのかを書き出してみたり、誰にも言えない思いを言葉にしたり、イラストもたくさん描きました。

交代人格宛に「でたらこのノートにどんなことでもいい、書いて欲しい」と表紙にデカデカと書きました。

交代人格がみんなこのノートに気づいて、それぞれが書き込んでくれるようになって「自分」がどう生活しているかがわかるようになっていきました。

自分カルテとも言えるこのノートを「人格ノート」と名付けて今でも大切に残しています。

情報がないのなら私は自分のことを自分で知るしかない。

その思いで始めた記録。

解離の症状について書いたり、内部(心の中)とリンクさせて心の中がどうなっているのかを知るのにはとてもいいツールです。

24時間とは言えなくても記録し続けることが大切で、人格たちの言葉を逐一拾っていくことや人格たちの見ている世界は人格たちに記してもらうことで、大きな意味で自分を見つめ直すきっかけになり、自分について知ることができました。

どんな専門家でもどんな医師でも解離する心の情景はきっとみたことが無い。見るという経験をしたことはない。

彼らにできないことが私ならできるかもしれない!

 そう思いながら書き続けてきました。

この記録は私個人にしか当てはまらないものかもしれないし客観的ではないけれどそれで十分でした。だって私のことが知りたかったんですから。

ノートは何冊か今ではわかりません。失ってしまったものもあります。

情報がなくて私がしてきたこと。それは自分のことをデータにしていくことでした。

今解離アドバイザーとして発信していることはまだほんの一部ですがこれからも地道に書き記していきたいです。

そして、あなたも解離について知りたいのにいい情報を得る場が見つからなくて途方に暮れているのであれば、まずは、今のあなたの状態をノートに記録してみてください

それはあなたが回復するのに何が必要かを教えてくれるあなただけのオリジナルカルテになるはずです。

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