1. はじめに
解離性同一性障害(DID)の方が記憶の断裂を乗り越えるために、人格ノートを活用することは非常に有効です。今回は、アナログノートのメリットと、その具体的な活用法について詳しく紹介します。デジタル管理よりもアナログノートが適している理由と、実際の使用事例をお伝えします。
2. アナログ人格ノートのメリット
デジタル管理には、いくつかの問題点があります。例えば、交代人格が異なるアプリやサービスにログインできないことがあります。また、デジタルデータは消失のリスクがあり、無料ツールを使う場合、サービスが終了するとデータも消えてしまう可能性があります。
一方、アナログノートには次のようなメリットがあります。
- いつでもアクセス可能:ノートは物理的に存在するため、いつでも手に取ることができます。
- 手書きによる記憶定着:手書きで記録することで、情報がより強く記憶に残ります。
- プライバシーとデータ保護:ノートはデジタルデータと異なり、外部からアクセスされる心配がありません。
3. 実際の使用事例
私は、症状が重く辛かった頃に人格ノートを活用していました。現在、10冊ほどのノートが手元にあります。
- 自己理解のためのノートの活用:ノートに日々の出来事や感情を記録することで、自己理解が深まりました。
- 具体的な記録内容:例えば、その日の出来事、感じたこと、交代人格とのやり取りを詳細に記録しました。
- 各人格とのコミュニケーション方法:ノートを通じて、各人格が感じたことや考えたことを共有し、お互いに理解を深めました。
- ノートを使った記憶の補完:交代人格が変わっても、ノートを見返すことで前の出来事を確認し、記憶を補完することができました。
4. アナログノートの活用方法
- ノートの選び方と準備:自分が使いやすいサイズとデザインのノートを選びます。書きやすいペンも準備しましょう。
- 日々の記録のコツ:毎日少しずつ記録を続けることが大切です。重要な出来事や約束は忘れないように記載します。
- 定期的な見直しと更新:ノートの内容を定期的に見直し、必要に応じて更新します。これにより、情報が整理され、より効果的に活用できます。
5. ノートの始め方と共有ルール
人格ノートを始める際には、いくつかのポイントがあります。私が実際に始めた経緯を基に、具体的な方法を紹介します。
- ノートの存在を交代人格に伝える方法:
- 壁や目につく場所にメモを残す:次に交代人格が出てきたときに見てもらうため、机や壁などにノートの存在を知らせるメモを貼りました。
- ノートの存在を知らせる工夫:目立つ場所にメモを残し、ノートの存在とその使い方を交代人格に伝えました。
- 記録のルールの具体例:
- 日時と人格名の記載:書いた日時と書いた人格名を必ず記載します。日時は年と時間も午前、午後がわかるように書きます。これにより、交代人格が出現した際に、その日の活動リズムがわかります。
- 日記や絵の記録:ノートには日記のように出来事を記載したり、絵を描いたりすることができます。これにより、子供人格も自由に表現できます。
- 記録係の存在:記録係のような人格がメインで書くことも良い方法です。
- サポーターからのコメント:信頼できるサポーターからのコメントをノートに記載してもらうこともできます。交流ノートとして使うと良いでしょう。
6. まとめ
アナログの人格ノートは、DIDの方にとって非常に有効なツールです。毎日書くことは難しくても、かけるときにすぐに書けるように用意しておくといいですよ。アナログのノートを活用することで、デジタル管理の問題点を避け、安定した記録方法として活用できます。ノートを活用して、記憶の断裂を乗り越え、より良い生活を送るための工夫を続けてみてくださいね。
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